この前、都銀の投信販売窓口を訪問したら、FXやIPOについて全く認識がない
ことを書きました。
もう1つ、銀行で感じたことは、今、投信の販売にビビっていることです。
昨年10月に法令が改正されたことも、慎重になっている要因でしょうが、
それだけではないようです。
昨年秋からの投信の基準価額の急激な落ち込みに唖然とし、販売にすっかり
自信を失くしているように見えました。
振り返ってみると、銀行が投信の販売を始めてから、10年になりますが、
当初は外債型の値動きの少ない、「国際投信のグロソブ」とかを中心に
安全思考で販売していたように思います。
ところが、ここ数年は価格変動の激しい投信も、値上がりで高分配金が続出。
昨年の秋まで、投信は総じて順風満帆でした。
1年前に銀行の投信窓口に行くと、世界のリートを組み込んだ投信について、
「利回りから底値が堅いので買い時です」と盛んに勧められました。
私の方は冷やかしで申し訳なかったのですが、結構、リスクの大きい投信も
自信持って販売している様子が伺えました。
それが、サブプライム問題から始まった株や不動産の下落と円高のダブルパンチ。
証券会社の営業マンならこの程度の下落、平気なものですが、銀行の投信窓口では
相当ショックが大きかったようです。
先日の窓口訪問では、新興国株式(インド株とか)の投信について聞きましたが、
リスクが最高レベルで、怖くて怖くて、もう販売したくないという印象でした。
もっと気の毒なのは郵貯銀行、投信を設定した時期が最悪でした。
昨年夏、郵貯銀行主催の小規模なセミナーが頻繁に実施され、
私も何回か出席しました。
講師は野村アセットや日興アセットの女性アドザイザー。
聞き手は我々顧客と、ほぼ同数の郵貯銀行の職員でした。
いずれの投信も郵貯専用に設定されたもので、多くは安全性を考慮して
のバランス型。
「過去20年の実績から、購入して10年以上持てば、元本割れの可能性は
極めて低い」という説明。
郵貯銀行の職員も、「定額貯金よりははるかに高利回りで、安全な商品」
と信じて疑っていない様子でした。
ところが、市況の悪化には勝てず、売り出した投信の大半が、
設定時の元本1万円を割り込んでいる状況。
先日、久しぶりに窓口を訪れたら、郵貯銀行の職員自身が
「話が違うのでは?」という感じで、シュンとしていました。
バランス型ですから、いずれ1万円まで戻すのでは?とは思いますが、
とても顧客に投信を勧めるような状況でなく、窓口は開店休業でした。
投信の販売は、「元公務員さんにはちょっと荷が重いのでは?」
という印象です。
昨日(4日)の日経新聞に、「3大銀行の投信残高が1年前に比べて、
10%減った」という記事が掲載されていました。
これは、投信自身の評価減もあるでしょうが、新規購入が激減した
ということでしょう。
そして、資金が個人年金保険や外貨預金にシフトされたとのことです。
郵貯銀行の投信の占める比率は、まだわずかだと思いますが、
投信残高のおよそ半分が、銀行での販売で占めているとのことです。
個人年金保険も、投信で運用されている部分があり、広義には投資に
分類されるかと思いますが、投入元本保証型の人気が高いようです。
投資のリスクを避ける国民性と、都銀や郵貯の腰が引けた営業姿勢を見ると、
どうやら
「貯蓄から投資へ」ではなく、今
「投資から貯蓄に」お金は逆流している
ような気がします。
私の近くでも、20年も前から株をやっている筋金入りの連中を別にすると、
ここ3年くらい前から俄かに株を始めた人の多くは、塩漬け株を放置したまま、
一人、また一人と株の世界から去って行きました。
もう1度
「貯蓄から投資へ」の流れをつくるには、何より市況の回復が第一です。
が、最低限、株式譲渡所得や配当所得に対する、優遇税制の延長も必要かと思います。

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昔の私みたいに、「投資は儲かる!」といったイメージがあるのでしょうが、実際は9割方負けます。
投資をしていて生き残るには、それなりの知識が必要ですね。
私も、生き残りをかけてがんばります。
ところで
郵便局や銀行で投信を買うメリットはあるのでしょか?
証券会社で買えばいいのに・・・。と思います。
基本的に、証券会社とのお付き合いが一般の方にあるとは思いませんが。
またお邪魔させて頂きます。 毎度ポチ!