12月IPOも、F社予想でネガティブ続出、IPOの回復はいつなのでしょう?
少し古いニュースの引用になりますが、以下は11月19日付「QUIC野村版」に
掲載された記事です。最近のIPOを端的にまとめていると思われますので、
全文コピー掲載させていただきました。
<日経>◇今年の新規上場銘柄、半数以上が解散価値下回る
2008年に新規株式公開(IPO)した会社の株価純資産倍率(PBR)が、解散価値とされる1倍を相次ぎ下回っている。19日時点で半数以上の22社が1倍を割り込んだ。業績悪化が警戒され、資金流入が細っているためだ。こうした状況は過去にあまり例がなく、企業の上場意欲を一段と低下させかねない。
08年初から11月19日までに、国内市場には計40社が上場した。このうち19日時点でPBRが最も低いのは、マンション開発のモリモト(0.15倍)。業績見通しの下方修正や、09年3月期第2四半期報告書の提出遅延が嫌気され、株価は連日、上場来安値を更新している。
同社に限らず、不動産関連会社株は全般にさえない。マンション販売のアスコットやゲオエステートなどもPBRは0.5倍未満だ。不動産市況の悪化から保有物件の値下がりが危惧されており、押し目買いが入りにくい。
大規模な設備を持たず、資産が少ないインターネット関連会社でもPBRが1倍を下回る銘柄が出ている。ネット関連は成長期待が高いが、携帯電話向け情報配信のアクセルマークやサイト企画のネットイヤーグループは、上場後半年程度で業績見通しを下方修正したため失望売りが出た。
事業規模が小さく、経営基盤が安定しない新興企業は、事業環境の悪化に対し耐性が乏しい。景気が減速するなか、新興株市場への資金流入はこのところ細っており、東証マザーズの19日の売買代金は88億円と、東証1部のりそなホールディングス1銘柄と同水準にとどまった。08年に上場した40社のうち、公募・売り出し価格以上の株価を保っているのは4社だけだ。
なかには、ソフト開発の電算システムや海運利用運送の内外トランスラインのように、上場時の公募・売り出し価格の時点で、PBRが1倍を下回る水準となる会社も出てきた。新規上場会社の株価は、上場している類似会社や同業他社と比較して算出するためだ。
流通株数が少なく値動きの軽い新規上場株は従来、相場の低迷局面でも短期的な値幅取りを狙った買いが入りやすかった。だが東証1部の全銘柄の平均PBRが1倍を割り込んでいる現状では、投資家の関心は割安感の出た大型株の方に向かっているようだ。
以上が記事の内容ですが、私がよく言っている「東証1部にバリュー株が山積
している現況では、海のものとも山のものとも分からない、新興市場に資金が
入って来ない」というのと同じ見解かと思います。
今の株式市場全体が超低迷の中にあっては、破綻リスクの低く、信用度の高い
有名企業に資金が向かうということでしょう。
その表れとして、これまで信用不安で売りたたかれていたJリートのビ・ライフ
投資法人(8984)に、今日(28日)の前場で買いが殺到しています。
それは昨日夕方、ビ・ライフの運用会社がモリモト(8899)傘下から
大和ハウス(1925)参加に移り、ビ・ライフ自体の投資口もモリモトの
保有分が大和ハウスに移動すると報じられたからです。
要は、大和ハウス傘下に入れば、ビ・ライフの資金繰りの不安が解消
されるということでしょう。それにより、モリモトも資金繰りが改善されると
いうことでしょうか?前場、一時ストップ高まで買われました。
その信用度が高いと思われる大和ハウスでさえ、これからの住宅需要の
落ち込み懸念から大きく売られています。
昨年1月に2,000円を超えていた株価が、前引では766円となっています。
この9月まで1,000円付近で頑張っていましたが、敢え無く撃沈しました。
大和ハウスについては、この20年フォローしていますが、独断で居心地
のよいのは、1,000円辺りかと思っています。
市場が落ち着けば、PBR1倍の1,000円近くまで回復するのではない
でしょうか?
大和ハウスでさえ、PBR1倍を割っている現況ですから、新興銘柄に
PBRが1倍を大きく割り込む銘柄が続出するのも当然かと考えます。
東証1部の信用力が高い銘柄が、まず居心地のよいところまで回復
してから、新興市場にも徐々に資金が入ってくるのではないでしょうか?
投機家にとって、値動きが軽いIPOは魅力的な存在だと思われます。
ですから、IPOの回復はあるものと信じていますが、回復にはしばらく
時間がかかりそうです。
、
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IPO調達資金はいったいどうなったのでしょう。
早くも倒産とはボロのようでした。