いよいよ、11日(火)に大型IPO、ヒューリックが東証1部に上場予定
となっています。
私は、主幹事を初め主な店頭証券に、応募の意思がないことを事前に
伝えておりましたので、お誘いの電話はありませんでした。
でも、友人宅には、主幹事のコールセンターから勧誘があったそう
ですし、ブログでは、主幹事から目論見書が送付されてきたとの
記事も見かけました。とにかく30万単位の大型案件ですから、
BBの積み上げには、相当苦労したようです。
この最悪の地合いですから、上場延期となるのでは?と内心思って
いました。まだ分かりませんが、一昨日(7日)の購入申込み最終日
に延期の発表がないということは、予定通り上場することになるの
でしょう?
予定していたオーバーアロットメント(OA)を止めたということは、
BBの積み上げがギリギリであったのは確かなようです。
それにしても、よくぞ30万単位、集められたという感じです。
破綻が続出している不動産開発事業と違い、ヒューリックは不動産
賃貸事業が中核ということで、収益面で安定性があるようですが、
不動産関連銘柄が売りたたかれているこの時期に、吸収金額141億円
という大型上場。どういう結果になるのでしょう?
私自身の応募は見送りましたが、IPO愛好家の一人として注目しています。
そこで、乏しい知識の中、独断でヒューリックを考察してみました。
大型IPO、ヒューリックの概要は、以下の通りです。
【公開株数】 30,000,000株 (300,000単位)・・・OAは無し
【公募価格】 470円 【幹事会社引受価格】 441円80銭(6%引き)
【シンジケート】 主幹事 みずはインベスターズ証券
インベ 68.50% 20,550,000株(205,500単位)
野 村 12.50% 3,750,000株 (37,500単位)
新 光 4.00% 1,200,000株 (12,000単位)
三菱UFJ 4.00% 1,200,000株 (12,000単位)
日 興゚ 4.00% 1,,200,000株 (12,000単位)
フレンド 4.00% 1,200,000株 (12,000単位)
S B I 2.00% 600,000株 (6,000,単位)
丸 三 1.00% 300,000株 (3,000単位)
【2008.12月期予想】
EPS 45.95円 PER 11.3倍
BPS 372.26円 PBR 1.40倍
配当 6.0円 利回り 1.15%
この上場で、主幹事インベの収益は、引受分すべてを捌けたとしたら
5億7951万円です。当初予定のOA分、4,500,000株が全部捌けていたら、
さらに、最低でも1億2690万円の追加収益があったはずでしたが、
こちらは不発に終わりました。
副幹事の野村の収益は、1億0575万円です。ガリバー野村にしたら、
大した金額ではありませんが、中間連結最終赤字59億円と苦しい
経営のインベにすれば、無理してでも、成功させたい案件だった
のではないでしょうか?
また、平幹事のSBIでさえ、6,000単位の配分がありました。
私はポイント稼ぎは無理だと判断し、SBIも見送りましたが、
同様の方も多かったのではないでしょうか?
SBIで、0P、1単位応募で当選された方が何人かおられた
ようですが、6,000単位も配分があれば、それも納得できます。
SBI、この6,000単位、全部捌けたのでしょうか?
ヒューリックは、1957年3月に旧・富士銀行(現・みずほ銀行)の
持つ不動産を母体に設立された、しっかりとした会社のようです。
この案件、3年ぐらい前の不動産関連が人気化していた頃なら、
PER20倍の公募価格900円ぐらいでも、上場出来たように思います。
それが今や公募価格470円にしても、F社の直前初値予想はおそらく
「売り気配」でしょう。選りによってなぜ、この時期に上場なのでしょうか?
ヒューリックにおいて、今早急に市場から資金調達しなければならない
事情があるのでしょうか? それとも、インベの収益アップに協力
ということなのでしょうか?
ヒューリックの公募価格は、不動産の賃貸事業が中核となっている
東証1部の類似企業の現在株価と比べて、PERからは妥当なように
思います。PBRからは、軒並み1倍を切っている銘柄が多い中では、
割高という気がします。ただ、東京23区を中心に立地条件がよい
不動産物件の保有が多いようですから、こんなものかという気もします。
この地合い最悪期での大型上場、初値売りが膨らみ、需給面から巷で
予想されている通り、公募割れスタートは間違いないところでしょう。
OAが見送られ、シンジケートカバー取引が期待出来ないだけに、初値
が何時つくか心配です。但し、安定した賃貸収入があり、東証1部直接
上場銘柄ですから、公募割れしたら割安感から買いが入り、大きな割れ
はないような気もします。
ヒューリックが大きく下げて発進するようでしたら、下値で拾っておく
のも面白いかも知れません。でも同じみずほ系列なら、直系のインベ株
を下値で拾う方が、より面白いかも知れません。2006年3月には600円
まで買われていましたが、先週末には77円まで売られています。
10月10日には63円の安値をつけています。親のみずほ銀行が、まさか
インベを破綻させることはないと思うのですが?
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