これまで、公社債投資信託について2回、非上場の株式投資信託ついて
5回、延べ7回、記事を書いてきましたが、今回は市場に上場されている
株式投資信託、
ETFについて記述します。
といっても、ETFについては知識と経験不足で、記述する内容も浅薄なものと
なりました。今回も、どうぞ興味のある方だけ、ご覧ください。
また、間違い等がありましたら、どんどんご指摘いただければ幸いです。
ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、取引所に上場され、株式と同じ
要領で売買出来る株式投資信託です。上場投資信託、あるいは上場投信
とも呼ばれています。
ETFは、特定の株価指数や特定の指標に連動することを運用目的として
おり、この点からは、パッシブ運用の株式投資信託に属します。
非上場のインデックス型投資信託は、指数に連動するように、株を組み込んで
おき、顧客の売買注文に対応して、市場で現物株を増減させています。
ETFは、運用会社が受益証券を発行し、顧客の売買注文に対応して、その
投資口を「設定」と「交換」させているということです。その分、コストを低く
抑えられるということですが、私自身、詳細のしくみの理解が出来ていません。
ETFは大別すると、国内の市場に上場されているものと、海外の市場に上場
されているものに分かれます。
【国内ETFの種類】国内ETFは、その第一弾として2001年7月に、東証と大証にTOPIXと
日経225連動型が上場されたのが始まりです。
その後、いろいろな指数に連動するものが上場されています。
昨年8月には、大証に「金価格連動型ETF」も上場されました。
逐次変動があろうかと思いますが、現在、国内で上場されているのは、
61銘柄で次の通りです。
日経225連動 4銘柄、日経300連動 1銘柄、TOPIX連動 3銘柄
TOPIX core 30とかの規模別の銘柄に連動するもの 6銘柄
業種セクター別に連動 38銘柄、新興市場連動 1銘柄
金価格連動 2銘柄(外国籍1銘柄)
海外の株価指標連動 6銘柄(外国籍1銘柄)
内訳は東証上場51銘柄(外国籍2銘柄)、大証上場10銘柄となって
います。
野村アセットと大和投信が、業種セクター別に連動ものを上場して、
銘柄数が大幅に増加しました。
【国内ETFの売買と税制】国内ETFは、上場株式と同様に銘柄毎に証券コードが付され、国内の
ほとんどの証券会社で取扱われています。
指数連動型の非上場の投資信託は、1日に1回、注文後に発表される基準価額
で売買されますが、ETFは、投資家が日々刻々と変動する指数を、その時々
の価格で取引き出来るのが最大の利点です。
証券会社によっては商品分類上、ETFは投資信託ではなく株式の中に入れて
扱っているところもあります。それだけ売買イメージが株式に近い商品だという
ことです。
但し、あくまで投資信託ですから、ETFの価格は、指標と全く同値という
のではありません。ただ取引時間中は、ほぼそれに近い値で連動して動きます。
また、複数の運用会社が同種のものを設定しています。
例えば、日経225連動のものは4銘柄あり、それぞれ証券コードで区別され、
日中の価格も微妙に違っています。
売買単位は2万円から15万円の範囲のものが大半で手頃ですし、取引手数料
は株式と同じです。ですから、ネット専業証券を利用すれば、手数料は格段に
割安になります。
非上場のインデックス型の投資信託を買うなら、ETFが有利かと思います。
決算は、大半のETFが年1回、7月10日で、この場合8月に分配金が
支払われます。
分配金は配当所得となり、売買損益は、上場株式の場合と全く同じで、
株式譲渡所得(分離課税)となります。
分配金の税額控除も株式並みの10%が適用されます。
但し、非上場のオープン型の投資信託のような個別元本という概念はなく、
普通分配金と特別分配金の区別もありません。分配金全額が課税対象と
なります。
【海外ETF】国内の多くの証券会社が、海外市場に上場されているETFを取扱って
います。最近は、ネット専業証券も海外ETFに力を入れているようです。
取扱っている指標も、欧米だけでなく、BRICsの国々等、世界の
主要指標が対象となっています。
海外のインデックス型非上場の投資信託なら、海外ETFの方が有利かと
いう気がしますが、何分、海外ETFは未経験です。
興味のある方は、ご自身で、詳細についてお調べいただけますよう、
お願いいたします。
以上、ETFについて簡単に記述させていただきました。
今、内外共に、株式相場が下がっています。個別の銘柄に投資するのも
よいでしょうが、総合指数の日経225連動型やTOPIX連動型のETF、
あるいは業種セクター別ETFに投資するのも選択肢かと思います。
また、海外ETFも面白いのではと思います。
金価格連動型ETFも、すぐれた商品だと思います。
余談になりますが、10年ほど前、野村で金地金の現物を買ったことが
あります。その時、感じたのは、買いと売りで価格が3%ほど開いて
いたことです。しかも価格提示は、午前に1日1回でした。
これと比較したら、金価格連動型ETFの機動性と有利さが解ります。
野村で金地金の現物を買った時は、1グラム1000円前後でしたが、
今、3000円前後になっています。私は慌て者ですから、3年前に
1600円ほどで全部売却しちゃいました。儲かったのに、何か損した
気持ちです。
最近、「インフレ対策として金地金が最適」、「まもなく1グラム5000円
までいくだろう」というようなことを耳にします。
そんな時代が来るのかも知れません。
でも、ここ2~3年で急進した後の空中戦、私には怖くて手が出ません。
金融商品として、金価格連動型ETFはすぐれものだと思いますが。
次回は投資信託の最後、不動産投資信託(リート)に話を移したいと
思います。
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