本日(17日)上場のクックパッド、初値が付かず来週に持ち越し、まさしくお祭りIPOと
なりました。3連休の後の21日(火)は、即金規制となりますが、今後のIPO復活に
つながる好発進を期待しています。
さて、私は日頃から、「中長期投資」を提唱していますが、「中長期投資」について、私見を
述べさせていただきたいと思います。
「中長期投資」と一言で言っても、金融商品によって運用方法が違ってくると思います。
主としてインカムゲインを追求する金融商品は、長期間保有のままでよいと思いますが、
キャピタルゲインを追求する株式のような場合は、そうとは言えません。
国内の株式市場をこの20年振り返って、長期間保有のままで順調に株価が上昇して
いる銘柄は、ホンの一握りしかないのではと思います。
それは、代表的指標である日経平均を見ても明らかで、1950年から1989年
までの40年間は、年平均12%ほどの右肩上がりでした。途中、多少の出入りが
ありますが、片対数グラフで描くと、きれいな直線になっています。
しかしながら、1989年の大納会をピークに、その後何回か上下動がありましたが、
長期的には右肩下がりのトレンドで、現在はピークの1/4ほどに留まっています。
個別銘柄でも、業績が飛躍的に向上した一部のものを除いては、同様かと思います。
つまり日本株の場合は、「中長期投資」といっても、「長期間保有し続けるのではなく、
3年ぐらいを中期と考える。そして安い時、いわゆる暴落時に、2~3年保有する
つもりで、割安と思われる銘柄を選択、時間分散して下値を拾う。後は、じっと
値上がりを待ち、概ね50%ほど上昇すれば売る」というのが正解だったようです。
実際私は、いろいろ模索した結果、1995年頃からこの投資方法に徹することに
しました。味気ない投資方法ではありますが、その成功率は90%以上となっています。
とにかく、1990年のバブル崩壊以降の日本株は、利食いしないと儲かりません。
そして、一旦利食いしたら、次のチャンスがくるまで、2~3年はキャッシュポジション
で、買い時をじっくり待つというスタンスが必要です。
これからも、その経済の成長性からみて、日本の株式市場が長期右肩上がり
というのは難しいものと思います。ですので、今後共、この手法が正解か?
と思っています。この手法でも、10年間で50%の利益を2回転させれば、
資産は2倍以上になります。
こうして見ると、この手法は、「中期鞘取りトレード」ということになるのでしょうか?
日頃「中長期投資」と言っていますが、日本株の取引については、むしろ、
「中期鞘取りトレード」と呼んだ方がよいのかも知れません。
この20年で、この「中期鞘取りトレード」の買いのタイミングは3~4回ありました。
昨年秋の大暴落以降も、この買いのタイミングが到来しています。
デイトレ、スイング、ポジションといった短期トレードには、ドキドキ感があり、
狭義には「株をやっている」と言えば、短期トレードのことなのでしょうが、私から
見れば、短期トレードは神経を使うトレード手法です。
それに比べ、この「中期鞘取りトレード」なら、50%の値上がりをゆったりとした
気分で待つことが出来ます。
以上が日本株の場合ですが、BRICsに代表される新興国の株式については、
「新興国経済は、発展段階としては、日本の高度成長期であった昭和40年
(1965年)代の状況と酷似している」というセミナー講師の話を信じ、
長期右肩上がりのチャートを描くだろう?と思い込んでいました。
、
そうであるならば、新興国の株式投信も、長期投資で持ち続けておればよい
訳ですが、実際はそのようにはならず、昨年秋から大暴落してしましました。
3~5割の下落なら、長期右肩上がりの調整の範囲なのでしょうが、1/3とか
1/4にまで下落すると、調整の範囲を越えた、バブル崩壊です。
直近、少し戻していますが、まだまだピークからは大きく値下がりしたままです。
金融グローバル化時代、これら新興国市場も、米国を初めとする外資の影響を
大きく受けるということなのしょう。
長期の成長期待があるとは思いますが、新興国の株式市場は、円からみると
為替の影響も受けますし、本当に1950年から1989年までの日本株の長期
右肩上がりと同じチャートを描いていくのか、最近は疑いの目で観ています。
新興国の株式市場も、日本株と同様に、「中期鞘取りトレード」の方が、勝率が
高そうな気がしています。
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