私が株式投資を始めたのは1988年からですが、当時は短期トレードがメインでした。
1990年からのバブル崩壊の直撃を受け、損切りも出来ず、ずるずると長期塩漬け株
を抱えた状況が長らく続きました。
ようやく、1993年に証券株の値上がりに助けられ、抱き合わせをしてやっとの思いで、
塩漬け株の全てを解消をすることができました。
その後は、長期塩漬け株を持つ破目になってしまったことを教訓に、神経を使う短期
トレードはやめ、大きく値下がりした時にバリュー株を時間分散で拾い、概ね50%
値上がりすれば売却して利益確定するという、「中期鞘取りトレード」に徹することに
しました。
下表は、1998年の年末を起点とした、この10年間の私の「中期鞘取りトレード」
の足跡です。
1998年は、買い出動した株が値を下げ、年末には、それまでの利益がほぼ
なくなっている状況でしたので、概ねゼロからのスタートです。
以下の数字は、純粋の日本株の現物取引だけの記録ですが、非売品としている
電力株、鉄道株の評価損益は含んでいません。また、Jリート、投資信託、外債、
FX、外貨MMFといった、上場株式以外の金融商品の利益も含んでいません。
年間損益は、決済済み分は税引き後の純損益で、それに未決済分の評価損益
を加減して計算しています。各データは、年末のデータですが、今年(2009年)
の分は、6月末のデータです。
また株取引には、「中期鞘取りトレード」の対象となるザラ場取引(POを含む)の
他に、それとは異質なIPOが含まれているので、両者を分けて掲載しました。
ザラ場取引は、10年間のデータですが、IPOは挑戦を開始した、2005年以降
のデータです。

1998年と言えば、4月に日本版金融ビッグバンが始動、7月に小渕内閣が発足、
8月にはロシア経済危機の深刻化で世界同時株安、10月には長銀(現新生銀)が、
12月には日債銀(現あおぞら銀)が相次いで一時国有化となった、波乱の年でした。
日経平均も、1996年6月の22,666円をピークに、1998年10月には12,879円
まで大きく下げました。ちなみに1998年大納会の日経平均は、13,842円でした。
これでも、現況から見れば、ずいぶん高いところにあった訳です。
その後、ITバブルが起こり、日経平均も急回復、2000年4月には20,833円
をつけましたが、ほどなくバブルが崩壊、NYダウも日経平均も大きく下げました。
さらに日本国内独自の問題として、銀行の不良債権問題が最終局面を迎え、
2003年4月には、日経平均は7,607円まで大きく売られました。
2003年5月に、政府が破綻寸前のりそな銀行に公的資金を注入、一時国有化
することで、金融機関の破綻懸念が急速に収縮、その後4年間は右肩上がりの
相場となり、2007年7月、日経平均は18,261円を記録しました。
しかしながら、以降は下落局面に入り、昨年(2008年)9月のリーマンショックで
追い討ちをかえたような大暴落、現状に至っています。
さてこの10年で、私の「中期鞘取りトレード」では、1998~1999年及び2002
~2003年の2回、買いのタイミングがありました。いずれの時期も、今以上に
果敢に買い出動しました。
そして「中期鞘取りトレード」の結果ですが、1999年~2001年の3年間で、
1,555万円の利益があり、2003年~2005年の3年間でも、1,796万円
の利益がありました。但し、2002年が661万円の損失となったため、差引では
1,135万円の利益となっています。
2005年の年末までに、持株を全部売却し、以降昨年まで、全く買い出動して
いません。ですので、2005年秋の郵政民営化選挙を掲げた自民党圧勝以降の
日経平均の右肩上がりでは、ただ指をくわえて眺めているだけでした。
その代わりということでもないのですが、2005年からIPOの公募ゲットに挑戦、
2006年には、1,358万円の税引き後利益を上げることが出来ました。
昨年のリーマンショック以降、1988年からでは3回目の買い場が到来、金融株
を中心に買い出動をしました。メガバンク株は今一ですが、今年春になって、
証券株が急反発、大和証券Gと野村HDの2銘柄でかなりの売却益を出すことが
出来ました。評価額では、昨年末から半年で723万円の増加となっています。
この10年を振り返ると、2002年と2008年の年末には、それぞれマイナスと
なっています。暴落時には、どうしても買いのスタートが早くなり、一時的に
含み損を抱えることになりますが、大底が分からないのですから、ある程度は
止むを得ないと思っています。
2002年の経験を踏まえ、昨年(2008年)は、かなり引きつけてから買い出動
したので、マイナス額は少なくて済んでいます。それでもマイナスであることに
変りはありません。
2~3年待ってプラスに転ずれば良いと、気長に構えるようにしています。
以上が、私の「中期鞘取りトレード」の足跡です。
少なくとも「長期投資」といって、1998~1999年に買った株を今日まで、
そのまま持ち続けているよりは、好成績であると自負しています。
もっと効率のよい短期トレード法もあるのでしょうが、私は今後共、愚直に
この「中期鞘取りトレード」を続けていくつもりです。
併せて、IPOも捨て難いというより、「中期鞘取りトレード」を凌ぐ、低リスク、
高利益の投資(投機?)ですので、これからもIPOの公募ゲットは積極的に
挑戦していくつもりです。
そのためにも、IPOの完全復活を期待しています。
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