今日(29日)も、野村主幹事で、新規上場承認がありましたね。
10月下旬から上場が続きますが、最近上場のIPOのほとんどが
公募割れの状況で、大丈夫なのでしょうか?
さて、今回で、一連の投資信託の記事の最終回となりました。
今回も、どうぞ興味のある方だけ、ご覧ください。
また、間違い等がありましたら、どんどんご指摘いただければ幸いです。
REIT(リート)は、「Real Estate Investment Trust」の略で、
不動産投資信託という意味です。REITも取引所に上場され、
株式やETFと同じ要領で売買されています。
米国では早くからREITの上場がされていたようですが、国内では2000年
11月の投信法の改正で認められた、新しい投資信託です。
オフィスビルやマンションなどの不動産を、独立した会社方式の
投資法人が保有し、それを証券化した投資証券を取引所に上場すると
いうものです。
不動産の賃貸による家賃収入や所有物件の売却益が、分配金原資となります。
REIT(リート)もETFと同様に国内のREITと海外のREITに分かれます。
海外のREITは、株式投資信託にパッケージしたものの利回りが最近
すごくよくなっています。海外のREITの現物も面白い銘柄があるのかも
知れません。でも、私は海外のREITの現物は、知識も経験もありません。
ですので、以下ここでは、国内のREITについてのみ、記述させていただきます。
【国内のREITの種類と現況】国内のREITはJリート(あるいはJ-RIET)と称されています。
投資法人の資産運用は運用会社に委託され、資産は信託銀行で分別保管
されています。1投資法人が1銘柄となります。
現在国内に上場されているのは42銘柄で、ほとんどが東証上場となっています。
保有物件はオフィスビル、商業施設、住居、ホテル、物流施設と様々で、どれかに
特化した銘柄もあれば、複合型の銘柄もあります。
国内での最初の上場は、2001年9月10日に東証に上場された日本ビルファンド
投資法人(野村主幹事)とジャパンリアルエステート投資法人(日興主幹事)
の2銘柄です。どちらもオフィスビル特化型で、三井不動産や三菱地所が
運用主体となって、万全の体勢で上場されました。
ご承知の通り、Jリートの新規上場もIPOです。上場時の公募価格は、日本ビル
ファンドが625,000円、ジャパンリアルエステートが525,000円でした。
その後、商業施設特化型の日本リテールファンド投資法人以下、いくつかの上場が
続きましたが、いずれも上場後は不人気で、公募価格を下回るものも多々ありました。
価格が低迷していたこともあり、当時の分配金は6%以上と好利回りでした。
しかしその後、Jリートは、上昇に転じ、日本ビルファンドは、ついに昨年春、
最高値2,000,000円にまで到達しました。バブル的な値上がりでした。
ところが、サブプライムローン問題と国内の法規制で、不動産不況が深刻化、
一転、Jリートは急落、最近は極度の低迷となっています。
概ね 日本ビルファンドのような都心に優良オフィスビル物件を保有している
銘柄はまだ値を保っていますが、マンション不況の影響もあり住居系主体の銘柄
は売りまくられています。
今、Jリートの中には、利回りが8%を超えているものがたくさんあります。分配金
の主要な原資は家賃収入ですから、株式の配当金と違い、あまり急減もないように
思います。
為替の影響を受けない国内の金融商品として、利回り的に魅力的なところまで
下げて来ているのではという気がしています。
但し、Jリートの運用主体は不動産会社です。最近の不動産不況な中、運用会社の
経営不安がつきまといます。先日もリプラスレジデンシャル投資法人の運用母体
であるリプラスが破綻しました。Jリートは独立した会社型形態で、資産が保全されて
いるはずですが、運用会社が破綻すれば、ダメージとなります。
また、ほとんどのJリートは、保有資産を担保に資金を借入れて、保有物件を膨張
させています。これによって、好分配を維持している側面もありますが、リスク要因
ともなっています。
実は恥ずかしながら、好利回りに目を奪われて、今年になってリプラスレジデンシャル
を複数口保有しております。今のところスムーズに運用会社の移転が進みそうですが、
今後どうなることやら、まだまだ不安が一杯です。
今、Jリートはバーゲンセールの状況で、お買い特かと思います。但し、私の失敗の
教訓から、購入に際しては、保有物件の良否や運用会社の状況など、慎重な銘柄
選定が必要です。
【Jリートの売買と税制】Jリートも、上場株式やETFと同様に銘柄毎に証券コードが付され、国内の
ほとんどの証券会社で取扱っています。
1口単位で取引され、投資法人が発行した投資証券を売買します。
取引のイメージは株式とほとんど同じで、証券会社によっては商品分類上、
ETF同様に、株式の中に入れて扱っているところもあります。
決算は年に2回で、決算毎に分配金が支払われます。
決算月は銘柄によってマチマチで、3年ぐらい前、Jリートが人気化
し始めた頃には、証券会社が、毎月分配金が貰える銘柄を組み合わせて、
パッケージにして買い推奨していたこともありました。
分配金は配当所得となり、売買損益は、上場株式の場合と全く同じで、
株式譲渡所得(分離課税)となります。
但し、分配金の税額控除は受けられません。それは、Jリートは投資法人が
利益の90%以上を分配すれば、法人税が非課税となっているためです。
一般の株は、法人税が引かれた後の最終利益で配当金が支払われ、個人には、
その配当金にさらに課税されます。このように2重課税となっているので、
配当控除の配慮がされているという理屈です。
但し、Jリートだけをパッケージにした株式投資信託なら、5%の配当控除が
受けられますから、矛盾しているところもあります。
【私とJリートの関わり】先に述べました通り、5~6年前、Jリートの分配金は6%以上と好利回りでした。
それに関心を持ち、ある支店の担当者に尋ねると「Jリートなんて、利回りがよい
だけで、値動き的に何の楽しみもありませんよ」という答えが返ってきました。
それでも、私は「値上がりもないだろうけど、値下がりリスクは少ないだろう」
と独断で思い込み、好利回りに惹かれて、せっせと銘柄集めをしました。
ザラ場の安いところも拾いましたが、IPOやPOでも東急リアルエステートを
初め、いくつかの銘柄を集めました。JリートのIPO、POは当時不人気でしたから、
あの野村でさえ、5口、10口単位で裁量配分がありました。
当時は、IPO、POという意識はなく手数料なしで入手できるという感覚でした。
そして、何年かその分配金を生活費の一部にしてきた訳ですが、昨年春、
Jリートがバブルの情況になり、大きく値上がりしました。
もともと長期保有のつもりでしたが、想定外の嬉しい値上がりに、保有分の
ほとんどを処分しました。
結果、これまでにない、まとまった大きな利益を得ることが出来ました。
IPO、POで取得した分だけでも、1000万円を超える利益がありました。
失敗ばかりの私の20年間の投資歴で、このJリートが最高の成功例です。
でもただ、運がよかっただけです。その証拠に、先に述べましたように今年に
なって割安と思って買ったJリートは、リプラスレジデンシャルを初め、大きな
含み損を抱えた状態になっています。
それよりも、Jリート売却で得た資金のかなりの部分を、好利回りの分配金
目当てに、外国債券型の投資信託につぎ込みました。結果は最近の円高で
基準価額が値下がりし、毎月が特別分配金となっています。
これならキャッシュポジションで持っていた方が、余程よかったという気持ち
です。投資は難しいです。
国内のリートだけの話になってしまいましたが、以上でリートについての記載を
終わらせていただきます。
また、これをもちまして、一連の投資信託の記載を終わらせていただきます。
私自身の勉強のためにと始めた特集でしたが、まとまりのないものになって
しまいました。
長い間、中身の希薄な記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ブログ村 ⇒ 
