今年も2月になると確定申告の時期になります。
今年は曜日の関係で、所得税の受付は2月18日(月)から3月17日(月)となっているようです。
ところで、源泉徴収された税金で、還付の受けられるものがあるのをご存知でしょうか。
証券関係では、次の所得に対して源泉徴収がされています。
① 株式の譲渡益(特定口座で源泉徴収選択の場合)・・・譲渡所得(分離課税)
② 株式配当や株式投資信託の分配金・・・配当所得(総合課税)
③ 公社債投資信託の分配金や内外債券の利金・・・利子所得(総合課税)
課税は①②は10%(所得税7%、住民税3%)、③は20%(所得税15%、住民税5%)で、この内、③は源泉分離で還付対象外ですが、①と②は確定申告をすることにより還付を受けることが出来る場合があります。
還付の申告はすでに1月4日(金)から受け付けがされています。
1月末には、会社等からの「源泉徴収票」や各証券会社から「特定口座年間取引報告書」が届きますので、2月上旬に申告すると、税務署へ行った場合でも空いていますし、早く還付金が返ってきます。
では、還付金が返って来るのは、どんなケースなのでしょう。1、 「特定口座年間取引報告書」の差引金額にマイナスのものがあるとき 通常、1つの特定口座内では、証券会社が年間の損益通算してくれます。
でも、証券会社間の通算までしてくれません。
IPOをされている方なら、最低でも10個程度の証券会社に口座を持っていることでしょう。
その中で、年間の差引金額にマイナスのものがあれば、プラスのものと抱き合せ申告することにより、マイナス額の1割が還付金として返ってきます。
差引してもマイナスが残る場合、3年間の繰り越し申請となります。
申告するのは、トータルでプラスになる分だけ選択すれば十分です。
(昨年までに繰越し損を申請している場合は、それも含めてプラスになるまで)
プラスが大きくなりすぎても、サラリーマンの場合は問題ないのですが、専業主婦の場合、夫の方の配偶者控除が受けられなくなる場合もあり、次項の範囲内での申告が得策かと思います。
2、専業主婦とか無職で他に所得がないとき 還付申告することにより、①または②で源泉徴収された所得税、住民税が返ってきます。
①の株式の譲渡益は分離課税ですが、所得控除の対象にはなります。
所得税の基礎控除は38万円、住民税は市町村によって異なりますが、私の市では所得割免除額35万円以内、住民税の均等割免除額31.5万円以内となっています。
①と②の所得の合計が、均等割免除額以内の分を選択して申告するのが最も無難かと思います。
但し、38万円まで申告した方がお得な場合もあります。下記のこともあり、ケースバイケースです。
無職で世帯主の方が申告すると、基礎控除以外にいろいろな所得控除があるため、一旦、源泉徴収された税金が還付されますが、それ以上に国民健康保険と2号介護保険の保険料が増額(ちなみ私の市では33万円超過分の1割強が所得割として加算)となる場合が多いので、均等割免除額以内の申告が適切かと思います。
還付金は最高でも3万円ほどですが、家族揃ってちょっとした外食くらいは出来ますよ!
3、配当控除を適用をして還付を受ける 配当所得を申告すると、配当控除(税額控除)の適用を受けることが出来ます。
サラリーマン等の場合、源泉徴収された税金の一部が還付されることがあります。
但し、申告すると、所得に配当所得を上乗せして総合課税で税額を再計算します。
住民税の税率は一律10%ですが、所得税は累進課税のため、申告することにより税額が増える(納税となる)こともあります。
配当所得の源泉徴収額が10%の特例期間は、申告してもあまりリターンがないように思います。
また、年金受給者の方が申告すると、源泉徴収された税金が還付されることがありますが、国民健康保険の保険料が増額となる場合が多いので、慎重な対応が必要かと思います。
4、その他 年末調整が終わっているサラリーマンで、給与所得以外の所得が20万円以内であれば、 (高所得者を除いて)確定申告をする必要はありません。
但し、20万円以内が非課税というのではなく、あくまでも確定申告しなくてもよいという意味のようです。
ですから、確定申告すると、厳密には20万以内の所得(例えばFXで儲けた雑所得)も記載する必要があるようです。
確定申告書作成には、国税庁の作成コーナー(下記URL)を活用すると便利です。
(e-TAXというさらに便利な方法もあります)
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/index.html以上の内容は、正確を期したつもりですが、私の勘違いや錯誤の可能性があります。
確定申告をなさる場合は、必ず最寄りの税務署や市役所等に問合せして確認され、ご自身の判断と納得の上で対応してください。