先日はキャピタルゲイン狙いの「長期投資」ついて、書かせていただき
ましたが、これに相当するものとしては、私自身、新興国株式投信を少し
残しているだけで、「これぞ」というものをご紹介することが出来ません
でした。
新興国株式投信は適当な時期を見て、処分するつもりです。
一方、インカムゲイン狙いの「長期投資」はこれまでいくつか実践して
来ました。以下、紹介させて頂きたいと思います。
前回書きましたように、キャピタルゲイン狙いの「長期投資」も
インカムゲイン狙いの「長期投資」も、そこから得られる果実に
期待するという点では同じだと思います。
但し、「インカムゲイン狙い」の資産運用という側面で捉えれば、
元本が安定していて、しかも好利回りの金融商品というのが理想です。
「長期投資」とは言えませんが、この観点からは長期に亘り、高利率
の預金や債券があれば、そちらに資金を投下するのが確実です。
実際、16~18年前には、固定金利8%半年複利5年満期の利付金融債
(ワイド)、固定金利6%半年複利10年満期の定額貯金、それに年利回り
6%前後の一時払い養老保険というような金融商品がありました。
特にワイドはすごい人気で、当時の興銀(現みずほ銀)や長銀(現新生銀)
の店頭では「一見さんはお断り」と玄関払いされた苦い経験もありますが、
この時期の私の資産運用は、「長期投資」というよりは、もっぱら元本保証
のこれら高利回りの金融商品に向かっていました。
しかしながら、以降の景気低迷、デフレとゼロ金利政策で、これら金融商品
は極端な低利回りとなり、すっかり魅力がなくなってしまいました。
個人的なことですが、8年前、前述の金融商品が満期償還を迎える一方、
給与所得という毎月の安定した収入がなくなり、別途分配金等の収入源を
求める必要が生じていました。
4%以上の年間利回りを期待したいところでしたが、円建てで元本が
保証された金融商品は見当たりませんでした。
4%以上の年間利回りとなると、元本の変動リスクは許容しなければ
ならず、長期にこれを求めるのなら、インカムゲイン狙いの「長期投資」
ということになりました。
で、私が主に資金投入したのは「Jリート」と「外債型投信」でした。
まず、Jリートですが、ご承知の通り不動産物件を証券化したもので、
2001年9月10日、「日本ビルファンド」が公募価格625,000円で、
「ジャパンリアルエステイト(JRE)」が公募価格525,000円で
東証に同時上場したのが始まりで、翌年も4銘柄、その翌年も4銘柄
の新規上場がありました。
当時は、銀行の不良債権問題が最終局面を迎えていて、現在と同様、
日本株全体が下値を探っていく展開で、Jリートも上場後、公募価格
を割り込むものが多発する状況でした。
こんな状況でしたが、私はJリートの5~6%の分配金に惹かれて、
こちらに注目しました。2002年の春以降取得を始め、長期運用を
予定していた資金のかなりの部分をJリートにシフトしました。
ザラ場だけでなくIPOでも所得しましたが、不人気でしたから、あの
野村でさえ満額配分がありました。
このJリートですが、不動産物件の賃貸収入が分配金の原資となって
いますから、比較的元本が安定した金融商品だと思っていました。
従って分配金を貰いながら、長期保有する予定でした。
しかしながら株以上に値動きが激しく、2007年には暴騰、トップ銘柄
の中には利回りが2%を切るものも出てきました。
これだけ値上がりすれば、予定していたインカムゲインの10年以上に
相当するキャピタルゲインを得られると見て、この時点で保有Jリートの
大部分を売却、利益を確定しました。
2002年7月に520,000円で取得していた「日本ビルファンド」は
2007年4月に1,970.000円で売却することが出来ました。
他の銘柄も、売りそびれてまだ塩漬け状態の銘柄もありますが、
大部分は買い値の2倍前後で売却することが出来ました。
今から考えて、この時は「Jリートバブル」だったと思います。
保有物件の膨張率が大きくなっていたこともあるのでしょうか、
その後の財務状況の悪化で、Jリートは暴落に次ぐ暴落を重ねる
結果となりました。
今から考えても、バブルの時点での利益確定は大成功で、私の
生涯でも最高に成功した投資だったと思っています。
インカムゲイン狙いの「長期投資」の予定が、予期せぬキャピタルゲイン
を得る結果となりました。
あれから3年、最近のJリートはようやく底値圏で落ち着いて来ている
ように思えます。優良銘柄と言われているものでも、利回り4~6%という
ものがゴロゴロしています。下値を拾っておけば、インカムゲイン狙いの
「長期投資」の金融商品として再評価する時期に来ているのではという
気がしています。
何よりもJリートの良いところは、為替に直接左右されないところです。
私は銘柄を選択しながら、「長期投資」を視野に入れて、POとかの機会
を捉えて再取得を進めています。
一方、外債型投信ですが、やはり2002~2003年頃、その利回り
に目をつけ、当時有名になっていた、「グローバル・ソブリン」、さらに
高利回りの「エマージング・ソブリン」、愛称「受取物語」言ったものを
取得しました。但し、資金投入量はJリートの1/4程度でした。
これら外債型投信、リーマンショックまでは至って順調で、高利回りを
享受させていただきました。Jリートの分配金と合わせて毎月の生活費
に使っても余剰が出るほど、安定したインカムゲインを確保することが
出来ました。
しかしながらJリート売却後、Jリートの分配金の代替として、その売却資金
のいくらかを使って外債型投信を買い増したのが、結果的に大失敗でした。
ご承知の通りのリーマンショッ以降の急激な円の独歩高で、ひどい目に
遭いました。この2年は非課税の特別分配金を受取り続けています。
リーマンショック後のあれほどの急激な円高は予想外したが、毎月
切り下げられた個別元本もようやく基準価額に近づいて来ました。
この2年間は投入した元本が返済されたものと考え、外債型投信は
円暴落時のリスクヘッジを兼ねて、インカムゲイン狙いの「長期投資」
として、今後も気長に保有していくつもりです。
私のインカムゲイン狙いの「長期投資」の軌跡は以上の通りで、Jリートは
大成功、外債型投信は大失敗というところですが、これからも気長に、
外債型投信を主体にJリートとの2本立て行きたいと考えています。
なお、少々ではありますが、10年以上持ち続けている電力株や鉄道株
もあります。これらは株ですが「中期投資」の対象というのではなく、
配当や優待を狙った「長期投資」に位置づけています。
にほんブログ村 ⇒ 